パソコンとPLC

パソコンとPLCでは処理方法の違いなどありますが、結果的に動いていることを考えると現場の方としては特に違いを感じる必要はありません。では、パソコンと、PLCの違いはどこに注目すべきでしょうか?

PCLは、産業用に作られているため、24時間365日、休むことなく過酷な環境で何年も動くことを前提に作られています。パソコンはどうでしょうか? 一般家庭用の民生品では、耐えることはできそうにありませんが、最近の産業用パソコンはPLCと同じような条件を前提に作られているため、変わらないといえるかもしれません。産業用パソコンもPLCも耐用年数は10年としているところが多いようです。

パソコンでもPLCでも、扱ったことがない人にとっては部品の交換は大変です。部品の交換という点では変わらないと言えそうです。ただし交換から動くまでを考えると、違いがありそうです。

PLCであれば、ユニットを組み上げデータを入れてしまうのに30分程度で済みます。電源だけ、CPUだけ、通信ユニットだけ、と部分だけ交換するなら10分程度で交換できます。また、普段から制御盤を保守されている方にとっては簡単な作業だと言えます。

しかし、パソコンではOSを入れたり、ソフトを入れたりするだけで数時間を要しますので部品の交換から考えると相当の時間がかかります。同じパソコンをもう1台購入しておき、問題が発生したときは丸ごと入れ替えることが多いようです。

最近のPLCでは、周辺機器の発達に合わせバージョンアップが必要な場合もありますが、パソコンのOSのように、バージョンアップして、ソフトが動かなくなるということはありません。また、OSがない分、フリーズしてしまい設備が停止してしまうような事態も起きません。

ただし、PLCは基本的には1つのプログラムでやりたいことをすべてこなさなければいけませんが、パソコンでは複数の機能が異なるプログラムを同時に稼働させることができるというメリットはあります。

工場内の設備の情報を集めるとなると、装置間のデータのやり取りでは、装置に搭載されたPLCやパソコンから取り込むことは、パソコンでもPLCでも簡単にできます。しかし、センサーや計器類から直接値をとるのは生産現場ではPLCの方が得意でしょう。多彩な周辺機器があり簡単にPLCに取り込める仕様になっているのはPLCとって非常に強い味方です。

現時点でパソコンと比べると、PLCの最大の特徴としては、大量のIOを簡単に接続できる点だと考えます。加工機や実装機、コンベアなどと接続するうえでもっとも簡単に接続できるデータはI/Oによる信号です。I/Oでの接続はPLCが最も得意とする機能の一つです。大量にデータがとれるということはDX化には不可欠な要素です。

大量の設備を監視しようと考えたとき、一般的に想像するのはパソコンのようですが、そういう時にはデータを収集するためにPLCが中継役を担うことが多いです。

PLCでトレサビや、データ収集、集計後のデータ抽出などはできるのか?と問われると、答えはできます。PLCはパソコンほどのデータを保存する容量はありませんが、外部ストレージにデータを保存したり読み出したりもできます。CPUの処理速度も負けていません。データベースを直接読み書きすることも可能です。そのほかに必要なセンサやQRリーダーやRFIDなどの機器の接続もPLCでは簡単に行えます。

工場内の設備との信号と取りやすさも考慮すると大量の情報を処理するのにはパソコンにはかなわないところもありますが、そういった利点を生かすことで、製造現場という限定的なエリアでの管理システムにはPLCの方が有利な場合もあります。

現在のPLCの機能や性能を考えると、現場に求められてきた耐久性、耐環境性、保全性といった生産ラインを止めないためのPLCとしてだけではなく、現場を支援するシステムとしてのPLCもクローズアップされてきています。

PLCの利点

  • 保全性の高さ
  • 設備やセンサー等の接続の容易さ
  • 大量に簡単に接続できるI/O
  • QRコードリーダや、センサーなどの多彩な周辺機器
  • PLCに搭載された豊富な最新機能

こういったことから、装置としてのPLCではなく、現場の保全の方も扱える(改造できる)システムとして、現場の方のノウハウを蓄積できるような、データ監視システムとしてのPLCシステムをご提案しております。

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